ナチの残虐なユダヤ人迫害の様子、必死に逃げる主人公の姿を見事に描き出している。ただ、最後のほうの、親切なドイツ兵にピアノを弾いて聴かせ、それに心を動かされたドイツ兵が何かと世話をやいてくれる部分以外は、主人公が「ピアニスト」である必然性が薄く、またそれを描き出されることもなく、単にナチから必死で逃げる一人の男の姿を追ったものになってしまっているように思う。「ピアノ」の存在をもっと深く描き出すことができれば、もっと良い作品になったと残念に思う。
すべてを破壊する戦争おすすめ度
★★★★★
アンネ・フランクを知って以来、私はユダヤ人迫害のことは忘れられない。
日本の歴史ももちろんだが。
戦争はすべてを破壊していく。この映画でも、子供をも殺す場面があるし、
体力の衰えたひとも抹殺される。戦争とは国同士の戦い、都市の崩壊というよりも、
人間が人間であることを崩壊せしめるものなのだ。
そうした状況下において、主人公が生き延びることができたのは奇跡である。
収容所に行かせまいとした友人の行為、彼をかくまったひとたち、
敵ですら彼を生かそうとする。
シュピルマンが生き延びることができたのは、極限下であろうとも
人間であろうという意志を持ったひとたちがいた、
少なくともそうするよう努めた人たちが敵味方は関係なく居た、ということである。
そのように描く監督の人間性が私はとても好きだ。
嫌われるわけおすすめ度
★★★☆☆
「仁義無き戦い」のようにバンバン人が殺されていきます。
こういう映画をドイツ人はどう思って見るのか聞いてみたい。
映画に描かれるドイツは悪役ばかり。
それだけではない映画も見てみたいが、
=ナチ賞賛となってしまうので無理なのだろう。
(日本での=軍国主義賞賛みたいなものか?)
でもユダヤ人がドイツ人だけでなくポーランド人からも
嫌われているのはなぜなんだろう?
良い出来でした
おすすめ度 ★★★★★
届いてからずっと気に入っています
。TOP100ランキングに入っているのでご存知の方も多いと思いますが、
ご参考になれば幸いです。大変お勧めですよ!!
概要
2002年のカンヌ映画祭においてパルムドールに輝いた『戦場のピアニスト』は、ロマン・ポランスキー監督が指揮することを運命づけられた映画である。幼少時代をナチス占領下のポーランドで過ごしたポランスキー監督こそが、ユダヤ系ポーランド人のピアニスト、ウワディスワフ・シュピルマン(エイドリアン・ブロディ)の自伝を映画化するに相応しい唯一の人物と言える。ナチスのワルシャワ侵攻を目の当たりにし、死の収容所送りを奇跡的に逃れたシュピルマンは、ゲットーの廃墟に身を隠すことで第二次世界大戦を生き延びる。ナチスのホロコーストを映画化したこれまでの作品とは異なり、主人公の視点から忠実に描写され、ポランスキー監督によって壮大なスケールで戦争を描いた奥行きのある叙事詩となっており、シュピルマンが希望を捨てずに粘り強く生き延びる様子と、彼が逃げ出すことを拒んだ街が徹底的に破壊される様子とを対比して浮かび上がらせている。一切の妥協を排して肉体的、感情的な真実性を追求することにより、『戦場のピアニスト』は希望と精神的純潔性の究極的な調べを奏でている。『シンドラーのリスト』と同様に、人間性の最も暗い部分を描き出した偉大な映画の中の1作である。(Jeff Shannon, Amazon.com)