他の方も言われているように自分も挿絵の可愛さと帯の悟空のセリフ「俺はなにがあってもお師匠様と天竺へ行きたいよ」に心を動かされて購入しましたが予想以上の面白さです。
困難に立ち向かい成長していく三蔵法師と弟子たち、中でもやはり悟空の魅力が最大限に描かれていると思います。最初はあまり三蔵に心を開いていなかった荒くれ者の悟空が、その人徳に魅かれて少しずつ心を開いていき、最後には命も投げ出す覚悟で懸命に尽くす様は読んでいて心を打たれます。思わず「頑張れ」と応援したくなってしまうほど・・。
師弟の物語おすすめ度
★★★★★
毎日新聞で、連載されていた西遊記の単行本化されたものです。
蓬田やすひろ氏の美しい挿絵は、連載時のほとんどすべて収録されていると思います。子供向けとしては、単語がやや難解なものがありますが、読み聞かせるときにお父さん、お母さんが説明してあげれば、子供への読み聞かせには最高の素材と思います。
一番すばらしいのは、豊かな人物描写と思います。
三蔵、悟空、八戒、沙悟浄のいずれもが、いいところもわるいところも含めて、魅力たっぷりに描かれています。
３人の弟子すべてについていえることですが、なかでも特に悟空、よく言えば天衣無縫、悪く言えば暴れ者の悟空が三蔵の愛情あふれる教えに触れ、良いところはどんどん伸ばし、悪いところを反省し、深みのある弟子にそだっていく姿がすばらしいのです。
そのことで、さらに三蔵との信頼関係を深めていく姿もまた美しい。
この点をここまで深く表現した作品はこれまでなかったのではないでしょうか？
星は５つまでしか付けられないのが残念です。
本当に素晴らしい作品と思います。
湘南ダディは読みました。おすすめ度
★★★☆☆
子供の頃、ロビンフッドの冒険とならんで耽読した西遊記が平岩弓枝さんの手で毎日新聞に連載されているとは知りませんでした。もう５０年も前に講談社の世界名作全集で読んだのですが、結構当時の記憶が正確に残っているもので、少年の頃、心を躍らした妖怪や菩薩様に懐かしく出会うことができました。
唐の時代の太宗皇帝と玄奘三蔵という実在の人物を登場人物にしていますが、もともとは１６世紀、明の頃から各地で伝承されていた説話がまとめあげられたものだといわれています。ご存知のようにこの物語は太宗皇帝の命をうけ大乗仏教の経典をもらうため三蔵が孫悟空、猪八戒、沙悟浄 龍馬を供にはるばる十万八千里、天竺までの旅を描いたものです。
ともかく読んでいてびっくりするのは当時のかの国の人たちのイマジネーションの豊かさです。例えば登場する妖怪たちも虎や亀、鯉、ムカデなどの化身だったり、不老長寿の薬となる赤子の形をした果物人参果があったり、名前を呼ばれ返事をすると吸い込まれ体が溶けて水になってしまう紅瓢箪、火山の火もひとあおぎで消せる芭蕉扇など、荒唐無稽といえばそれまでなのですがよくもこれだけ奇想天外なことを思いついたなと感嘆します。
本作の平岩西遊記は、それに加え特に三蔵と悟空の師弟愛にホロリさせ、弟子たちに成程なと思われるキャラクターを与えいきいきと活躍させます。大食いで楽天家で好色な猪八戒、朴訥で生真面目な沙悟浄、天真爛漫で憎めない悟空に加え、三蔵法師は読んでいると女性なのではないかと感じさせるやわらかな印象があります。美女達に言い寄られると顔を赤くなさるのですから男性には違いないのですが、大願成就して大乗経５０４８巻を持ち帰った後、お釈迦様から仏に任ぜられるお方なので男とか女の性別を超越された存在なのでしょう。
蓬田やすひろさんの挿絵が大変素晴らしく読者を伝奇の世界に心愉しく誘ってくれます。
とにかく面白いおすすめ度
★★★★★
微妙な色合いの表紙に装丁。
挿画・挿絵の素晴らしさ。難しい言葉が沢山出てくるけれども、どんどん読み進めることが出来る。
頭の中にはずーと「ガンダーラ」が鳴り響いているのだけれども、本当に面白い作品だ。
とにかく素晴らしい。
ぜったい単行本で買ってください！おすすめ度
★★★★★
内容の素晴らしさは皆さんがすでにレビューで書いておられるので、
私はとにかくこの本は図書館で借りたり、文庫本になるのを待ってから
買ったりせずに、絶対に単行本上下巻で買うのをオススメします。
格調高い挿絵がふんだんに盛り込まれ、本の装丁も素晴らしい出来栄えです。
下巻の見開きの挿絵（お師匠様と抱き合う悟空）なんて、
切り取って額縁に入れて飾りたいくらいの可愛らしさです。
納得の出来
おすすめ度 ★★★★★
とても面白いじゃないですか
。非常に洗練された魅力的なものになっていると思います。
感動やドキドキ感を手元に置いて、私同様に何時でも手に取って思い返して頂きたいと願います。
